SIMロック解除の意味

ドコモ、SIMロック解除を検討
http://rdp.blog52.fc2.com/blog-entry-417.html
【ringo-sanco】

SIMロック解除版のiPhoneが売り出されているだの、SIMロック解除サービスをやりはじめる日本の業者がWEBで受付開始するだの。世間では、”SIMロック解除”がお金になるという流れになっています。

対価がなければ客がお金を払うはずもなく、何らかのメリットがあるはずなのですが、正直私にはまだ見えません。

…というのも単純に考えれば、
「やったー、これでいまのドコモのFOMAカード移し変えれば、ドコモでiPhoneが使えるぜぃ。しかもパケホ適用ならうまうま〜!」

ってことになるわけですが、実際本当にそうなのでしょうか?

まず、「ドコモで使えるぜぃ」という保証はほんとにあるのか。そして、「パケホ適用」は本当になるのか。どれも推測だけの話で実際にそうなんだという話を聞きません。

それを証拠に実際に売りに出されたSIMロック解除iPhoneは着実に売れ続けてますが、そのうまうまの報告は今のところありません。確かにひそかにうまうまを続けたいと思う方がほとんどなのかもしれませんが、契約的にグレー、下手すると黒になっちゃうかもしれないリスクは余りに大きいです。

本当にドコモで使えるのかという根拠ですが、

ソフトバンクiPhoneを飼いならせるか?! ドコモは飼えるか?
http://soundsgood.cocolog-nifty.com/blog/2008/06/iphone_7177.html
【Kelly's Personal Island "興味のタネ"】

にもありますように、

名古屋、大阪間のエリアはドコモの3Gは1700MHz帯を使用しているエリアが多く、iPhoneでは対応してないので通話ができない。 現在、ドコモの電波周波数は2GHz帯の他に、「FOMAプラスエリア」という名前で800MHz帯と、この1700MHz帯を使用しているが、800Mhz帯は iPhoneの850MHz受信機では法規上、受信する事が出来ない。つまり日本ではiPhoneは2GHz帯しか受信する事が出来ず、ドコモに限れば全受信エリアの約3割はiPhoneでは通話不可のFOMAプラスエリアなのである。 このため、ドコモがiPhoneを販売するにはまず全国に2GHz帯でくまなく受信できる設備を増設しなくてはいけないのだ。 一方、ソフトバンクの3Gは2GHz帯のみなので通話は問題ない。

このように技術的にFOMAカードでは受信できないエリアも多数存在する可能性も示唆されています。実際SIMロック解除版を買ったものの”つながってない”大多数の方がいるのかもしれず、投資に見合う利益が得られるというのはほとんどバクチに近い行為になるんじゃないかと思います。しかも利用規約にも違反している可能性も指摘されています。

その中でのこの記事は非常に興味深いです。端末の特性を説明した上でSIMフリーの端末をドコモから発売する意味は、周辺環境が整った上でドコモからiPhone発売するよりもドコモにとっては”ありえる”話ではないかと思ったりもします。そう、iPhoneすらドコモブランド強化の足がかりにしようというやり方が。

しかしながら私もSIMフリーは普通に採用されるべき方式であると私は思っています。端末とキャリアがなぜ一体でなければならないのか、その理由が本当の意味での客への利益にはならないと考えるからです。日本の携帯事情が変わるとすれば、日本特有のキャリア主導の携帯専用サービスが変わるべきであり、何より、端末メーカーとキャリアがそれぞれ独立するべきであると考えます。